夜の夫婦生活がうまくいかなければ妊娠するのは難しいということはお分かりいただけると思います。セックスの回数はその夫婦によってさまざまで、一概にどれくらいの頻度が正常だと決めるわけにはいきません。しかし、赤ちゃんが欲しいときには、少なくとも排卵の前後には週に2~3回は夫婦生活を持たれた方が良いでしょう。
排卵日を知るには?
排卵しているのかどうか、排卵日はいつ頃かを知るには基礎体温をつけられるのが一番手軽ですが、あまり正確ではありません。
排卵の直前にはLHというホルモンが多量に分泌されますから、これを利用して尿中のLHを測ることによって、より正確に排卵日を知ることができます。この方法は尿を容器にとってその尿に検査用のスティックを入れる、あるいは尿を検査試薬の上に何滴か落とすだけの簡単なものですから、医師から説明を受ければ自分ですることもできます。排卵の前日か前々日に陽性になりますから、この頃にセックスを行えば妊娠の可能性は高くなります。
セックスに抵抗がある場合はどうしたら良い?
セックスを行えばと簡単に書きましたが、人によっては難物になる場合もあります。セックスは多分に心理的な影響を受けますから、男性一人あるいは女性一人がその気になっても夫婦生活はうまくいきません。
男性の精液が女性の腟の中に入ることが妊娠の第一条件ですから、男性が性的に興奮して勃起、そして射精しなければ妊娠は望めません。しかし、男性の心理もなかなか複雑なものです。焦れば焦るほどますます興奮から遠ざかってしまうこともあります。セックスがうまくいかないからと男性を叱りつけるのは逆効果です。中にはマスターベーションはうまくいくのだけれども本番の夫婦生活になった途端に緊張してうまくいかないという方もいらっしゃいます。
また、女性にセックスに対する恐怖心があってうまくいかない、あるいはセックスをしても全く感じないという方もおられます。
このような様々な心理的・肉体的理由によりどうしてもセックスを行えないという場合には、人工授精という選択肢もあります。
人工授精とは、マスターベーションで採取した精液を女性の腟、あるいは子宮の中に医師がお手伝いして注入する方法です。
尚、セックスをしても感じないからといって妊娠しないことはありません。男性も女性も気分的にも問題がないのにセックスがうまくいかない場合には、性器に自分では気が付かない異常がある場合もありますから当クリニックにご相談ください。