タイミング指導 検査・治療

排卵の直前が最も妊娠しやすい時期ですので、夫婦生活のタイミングを排卵に合わせていただくのが妊娠への第一歩となります。ではいつが排卵かどうすればわかるのでしょうか。

プロゲステロンの変化

プロゲステロンの変化

基礎体温は卵巣でのプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌を反映しています。排卵前にはプロゲステロンはほとんど分泌されていませんが、排卵すると卵巣に黄体ができてプロゲステロンが分泌されるようになります。このプロゲステロンに体が反応して体温が0.3~0.5度上昇します。これが、基礎体温が低温期と高温期の2相性を示す理由です。

基礎体温のタイプ

基礎体温のタイプ

以前は基礎体温が低温から高温に移行する日が排卵日と考えられていました。しかし、実際に基礎体温と排卵日の関係を調べてみると必ずしもそうではないことがわかってきました。基礎体温と排卵日の関係は大きく分けて A 基礎体温があがる2~3日前に排卵する、 B 低温相の最終日に排卵する、 C 基礎体温があがってから排卵する、の3つのタイプがあります。従って基礎体温だけで排卵日を特定するのは困難です。
排卵が近づくにつれて卵胞が大きくなっていきますが、卵胞の大きさが20㎜前後になると排卵が起こることがわかっています。ですので、超音波で卵胞の大きさを測定すると排卵日の予測に役立ちます。

下垂体から分泌されるホルモン

下垂体から分泌されるホルモン

また、排卵が近づくと子宮頚管粘液の粘性が下がり、量も増えます。これを確認して夫婦生活をもたれると妊娠しやすくなります。
排卵前には排卵を起こすLHというホルモンが下垂体から分泌されます。このホルモンは急峻な山を描くように分泌され、一気にピークに達します。これをLHサージと呼びます。LHサージがあってから24~36時間後に排卵が起こります。LHサージは排卵のスイッチのようなものなので、これを探知すると排卵日を予測することができます。尿を検査してLHサージを検出する試薬がありますので、これが陽性になった時に夫婦生活を持たれると妊娠する可能性が高くなります。ただ、LHは排卵以外の時にも値が上昇することもあるので、LHサージの検査薬が万能というわけではありません。このような時には排卵日以外でも検査が陽性になってしまうことがあります。また、LHサージの時間は6時間以内ですので、朝と夕検査してもLHサージが検出できないこともあります。
排卵日の予測には基礎体温、卵胞の大きさ、頚管粘液の量、LHサージなどを組み合わせて総合的に判断することが必要です。