子宮の異常 検査・治療

子宮筋腫

子宮筋腫とは

子宮筋腫は子宮の筋層にできる良性の腫瘍で、筋肉でできたこぶのようなものです。子宮筋腫の代表的な症状として、月経の量が多い、強い生理痛、妊娠しにくい、流産しやすいといったものがあります。
しかし、症状の強さは筋腫の大きさや位置によってさまざまです。子宮の外側に突き出している筋腫なら、大きなものでも全く症状がなく、妊娠にも影響しないこともあります。逆に小さな筋腫でも子宮の内側に張り出していると、でこぼこになってしまった子宮の内側に受精卵が取り付くことができなくなり、不妊症となってしまいます。
子宮筋腫の診断は内診、超音波、MRI、腹腔鏡、子宮鏡で行います。

治療

治療

子宮筋腫があってこれが妊娠を妨げているという場合には手術で子宮筋腫を切除する必要があります。これには開腹又は腹腔鏡で切除する方法と、子宮の入り口から特殊な子宮鏡を挿入して切除する方法があります。不妊治療で問題になることが多い粘膜下筋腫は子宮鏡手術で摘出できる場合が多くなっています。
子宮の入り口から筋腫をとる方法はお腹に傷が付かないのであとが楽ですが、この手術ができる筋腫とできない筋腫があります。あまり大きくなくて子宮の内側に突出している筋腫の時にこの手術が可能となります。反対に開腹する方法はかなり大きな筋腫でも子宮を残して切除することができます。
手術を行うかどうかは、その筋腫が不妊症の原因となっているものなのか、医師とよく相談して決めていきます。

子宮腺筋症

子宮腺筋症

子宮腺筋症とは

子宮の内側の膜にある腺組織が、本来あるべきではない子宮の筋層の中にあることによって起こる病気です。月経のたびに出血しますが、出ていくところがないので溜まってしまい、子宮が大きく腫れてしまいます。月経痛が強いのが特徴です。子宮腺筋症がひどくなると着床しにくくなるため、不妊の原因となります。

治療

治療は子宮内膜症の薬物療法と同じでGn-RHアゴニスト、ジエノゲスト、LEP、ダナゾールといった薬を使って4~6ヶ月月経を止めます。月経が止まっている間に子宮が小さくなりますが、効果は一時的ですので治療が終わったらなるべく早く妊娠するようにします。

子宮の形成異常

子宮の形成異常

子宮の形成異常とは

子宮は形成異常の多い臓器ですが、子宮の形成異常が不妊症に直結するわけではありません。子宮は左右のミュラー管が癒合してできますが、これがうまくいかず融合部分が残ってしまった場合を中隔子宮といい、ここに着床すると流産の原因になることがあります。

治療

なかなか妊娠しなかったり、双角子宮や中隔子宮などで何回も流産したりするときには手術を考える必要があります。手術には開腹して行う手術と、子宮鏡で見ながら不要な部分を削り取る手術があります。子宮鏡の手術の方が体への負担が少ないのですが、子宮の状態によっては開腹しないと手術できない場合もあります。

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープとは

子宮内膜ポリープは子宮の内側にできる良性の腫瘍です。子宮鏡や経腟超音波で発見でき、不妊症の方によくみられます。着床の妨げになるので、小さいものを除いて、摘出の必要があります。

治療

子宮の入り口から挿入した鉗子で取ることができます。外来でできる簡単な日帰り手術です。

子宮内膜の癒着

子宮内膜の癒着とは

何回も掻破手術を受けられた場合やお産や流産の後に、
子宮の内側が癒着してしまうことがあります。着床の妨げとなってしまいます。

治療

経腟的に剥離します。

子宮内膜の癒着